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歯が欠けやすい原因と欠けたときの対処法は?
実は歯の表層「エナメル質」は身体の中でも一番硬い組織です。しかしそんな歯も何らかの原因で欠けてしまうことがあります。歯が欠けてしまうとさまざまな悪影響を引き起こすので、できるだけ歯は欠けないようにしたいものです。
今回は歯が欠ける原因や対処法、治療方法をご紹介します。
歯が欠ける原因とは
- 虫歯
歯が欠ける原因で多いのは虫歯です。しかし虫歯になったからと言って必ず歯が欠けるわけではありません。虫歯は食べかすなどをエサに酸を出して歯を溶かしていきどんどん進行していきます。表面は小さな穴程度に見えていても、内側が空洞のようにスカスカに進行していると歯がもろくなり、ものを噛んだ時や衝撃で欠けてしまうことがあります。
- 酸蝕歯(さんしょくし)
歯の一番表面のエナメル質は酸に弱い性質があります。そのため、炭酸飲料や酢のような酸が強い飲食物で表面が溶けて歯が弱くなってしまうことがあります。このように酸によって溶け出している歯を酸蝕歯と言いますが、このような状態の歯はもろく欠けやすくなっています。
- 食いしばり・歯ぎしり
歯を食いしばる力は想像以上に大きい力です。その力は成人男性で50Kg近くあると言われています。また夜間無意識のうちに歯ぎしりをしている場合は、その倍の力がかかるとも言われています。日常的にこのような大きな力が繰り返しかかることで、歯がひび割れをおこしたり欠けてしまったりすることがあります。
- 事故やスポーツによる転倒や衝撃
事故によって転倒したり歯が衝撃を受けたりして歯が欠けることも多くあります。また、事故だけではなく激しくぶつかり合うようなスポーツ、ボールがぶつかったりするような衝撃でも欠けることがあります。このような場合は特に目立つ部分の前歯が欠けて来院されることが多いです。
歯が欠けた時の対処法について
- 欠けてしまった箇所に触れない
歯が欠けてしまうと気になって触りたくなってしまいます。しかし、手や舌でむやみに触るとさらに症状を悪化させ、雑菌で炎症を起こしてしまう可能性もあります。押したり、噛みこんだり刺激してしまう場合も同じです。また欠け方によっては、歯が尖ってお口の中が傷ついてしまうことも考えられます。
できるだけ安静にして清潔を保つよう心がけ、早めに歯科医院を受診しましょう。ちょっと欠けただけと思っていても思わぬトラブルに発展する場合があります。
- 抜けた歯は保存しておく
歯の欠けた部分は残念ながら付けることはできません。コンポジットレジンという材料を詰めるか、被せ物の治療が必要となります。しかし、歯がすっぽり根本ごと抜けてしまった場合はすぐに処置すれば元に戻せる可能性もあります。その場合は根本の部分をきれいに洗ったりせずに、お口の中に入れておいたり、牛乳や生理食塩水に浸したりして、1分でも早く歯科医院を受診しましょう。歯が抜けた際つい水で洗い流したくなってしまうかと思いますが、根本についている組織の部分も洗い流してしまうと元に戻せなくなってしまいますので注意しましょう
- 痛みがある場合は鎮痛剤を服用
歯が欠けたことで神経にも刺激が加わり痛む場合があります。その場合は我慢せずに薬局で売っているような市販の鎮痛剤を飲んでも大丈夫です。そして早めに歯科医院を受診しましょう。
歯科医院での治療法について
- 歯の欠けが小さい場合
欠けた部分が小さい場合は、コンポジットレジンという詰め物をする場合が多いでしょう。治療のために削る部分も少なく済みます。
- 歯の欠けが中くらいの場合
歯の欠けが中くらいの場合は被せ物の治療になることが多いでしょう。保険診療で行うことも可能ですが、審美性を求めた場合は自費診療のほうが見た目や使い心地は良くなります。
- 歯の欠けが大きい場合
歯の欠けが大きい場合、神経がまだ生きていればそのまま削って被せ物をしていきます。神経がもう死んでしまっている場合は、まず歯の根管治療を行ってから土台を作り、被せ物をします。
まとめ
歯が欠けてしまった場合、欠けた歯の大きさや痛みの有無に関係なく、早急に歯科医院を受診することが大切です。また、歯が欠けてしまうのには理由があります。自分の歯はなぜ欠けてしまったのか原因を知ることで、残った歯が欠けてしまうのを防ぐことができます。自己判断でそのままにすることなく、早めに歯科医院で診断してもらい、欠けた歯、そして歯が欠けた原因を見つけて治療をしてもらいましょう。
当院では万が一歯が欠けた場合も詳細な原因究明と適切な治療を行いますので、安心してご相談ください。