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歯周病だとインプラントできない?成功させる方法は?

インプラントは、歯がない状態を歯根から回復できる唯一の治療法です。天然歯の見た目や噛み心地も忠実に再現できるため、どのような症例でもきれいに治せると思われがちですが、実際はそうではありません。とくに注意しなければならないのが「歯周病」です。
そもそも歯周病にかかっているとインプラント治療ができないケースも珍しくないことから、心当たりのある方は十分な注意が必要です。今回はそんな歯周病だとインプラントできない理由と、歯周病でもインプラント治療を成功させる方法について詳しく解説します。

 

歯周病の人はインプラント治療ができない?

おそらく、多くの方は歯周病だとインプラントできない理由がわからないかと思います。歯周病は歯ぐきが赤く腫れる病気なので、失った歯の治療とは何ら関係がないように思えるからです。けれども、歯周病とインプラントには、次に挙げるような密接な関連が認められるのです。

インプラントを埋めるための骨が足りない

歯周病は、進行する過程で歯ぐきと顎の骨が破壊されていく病気です。これは主に歯周病菌が引き起こす炎症反応が原因となっています。末期の歯周病では、顎の骨がボロボロになって歯がグラグラと動揺したり、自然に抜け落ちたりしますが、その状態で人工歯根を埋めることは可能でしょうか?答えはノーです。進行した歯周病では、人工歯根を埋めるための骨が足りないことから、インプラント治療を安全に遂行することができないのです。

インプラント周囲炎になりやすい

インプラント治療が失敗する主な原因に「インプラント周囲炎」というものがあります。文字通りインプラントの周りの歯ぐきや顎の骨に炎症反応が起こる病気で、もともと歯周病にかかっている方は、そのリスクも高くなっています。インプラント周囲炎を発症すると顎の骨が破壊されて、人工歯根が抜け落ちます。

治療した箇所が化膿しやすい

歯周病は、歯周組織の免疫力を低下させます。細菌と戦う力が衰えた状態で外科手術を行うと、治療した箇所が化膿しやすくなり、予後も悪くなります。

 

それでもインプラント治療を受けたいという方へ

歯周病治療を先に行う

インプラント治療をする前の段階で歯周病にかかっている場合は、歯周病治療から優先して行いましょう。クリーニングやスケーリング・ルートプレーニング(歯石除去)、ブラッシング指導などを受けることで、歯周病菌の温床となる歯垢や歯石を一掃できます。正しい口腔ケア方法を実践できるようになれば、インプラント治療を行った後もプラークコントロールしやすくなることでしょう。その状態であれば、多くの歯科医師がインプラント治療にゴーサインを出してくれます。

どんな状態になったらインプラントできる?

歯周病は、一度発症すると完治させることが難しい病気です。生活習慣との関連も深い病気であることから、ある意味で一生涯付き合っていかなければならないのですが、ある程度まで症状が落ち着けばインプラント治療も可能となります。具体的には、次のような症状が基準となります。
 
①歯ぐきからの出血が認められない
②歯周ポケットが4mm以下になっている
 
少なくともこの2つを満たしていないと、インプラント治療に踏み切ることはできません。

 

歯周病の人がインプラント治療を成功させるには

上段でも解説した通り、歯周病の方でも事前に適切な治療を受けることで、インプラント治療が可能となる場合があります。とりわけ以下の2点を実践することで、歯周病の方でもインプラント治療が成功しやすくなることでしょう。

歯周病治療を徹底する

歯周病治療は、虫歯を削ってコンポジットレジンを詰める、といったわかりやすいものではありません。数か月に及ぶ治療は、歯垢や歯石を除去するのが主な施術内容となり、ケースによっては出血や痛みも伴います。そのため歯周病治療を途中でやめてしまう方も少なくないのですが、インプラント治療を成功させるためにも最後まで徹底することを心がけてください。歯ぐきと顎の骨を健全な状態に戻せれば、人工歯根の定着率も向上します。

術後のメインテナンスを怠らない

インプラント治療では、手術後のメインテナンスも重要となります。インプラントは歯根から歯冠まですべて人工物で構成された装置なので、虫歯になるリスクはゼロですが、歯周病にはかかります。とくに歯ぐきとの境目には汚れがたまりやすく、歯周病の再発リスクが高くなっている点に注意しましょう。インプラント治療前に改善した歯周病も術後のメインテナンスを怠ればあっという間に再発し、それ以前よりも重症化しやすくなります。

 

まとめ

今回は、歯周病だとインプラントできない理由と対処法について解説しました。歯周病は顎の骨が破壊される病気なので、人工歯根を顎骨に埋め込むインプラント治療の天敵ともいえます。ただ、治療によって歯周病を改善できれば、インプラントできるようになるケースも少なくないことから、はじめから諦めずにまずは歯科医院に相談することをおすすめします。歯周病の方でもインプラント治療を成功させることは十分可能なのです。