- インプラント
- 入れ歯
歯がない状態を放置するリスクと治療法を解説！
私たちは、歯周病や虫歯、外傷などが原因で歯を失うことがあります。失った歯は再生することがないため、何らかの治療をする必要があるのですが「歯科医院に通院するのが面倒」「高い費用がかかりそうで不安」といった理由から、歯がない状態を放置している方も少なくないです。それはお口や全身の健康において、とても悪いことなので推奨はできません。今回はそんな「歯がない状態」を放置するリスクや歯科医院の治療で改善する方法について解説します。
歯がない状態を放置するリスク
歯がない状態を放置していると、次に挙げるようなリスクが生じます。
リスク1：健康な歯に影響が出てくる
私たちの歯は、お互いがお互いを支え合って存在しています。歯を1本も失っていない人の歯列を見ると、目に見えるすき間がないことがわかります。そうして緊密に接している歯が1本でもなくなったらどうなるでしょうか？隣り合っていた歯は、欠損部へと倒れ込んできます。もともと噛み合っていた歯は、欠損部に向かって伸びてくるでしょう。その影響は歯列全体へと及び、歯並び・かみ合わせを乱していきます。
悪い歯並びは、清掃性を低下させ、虫歯・歯周病リスクを増大させます。悪いかみ合わせは、特定の歯に過剰な負担を強いるようになり、その歯の寿命を縮めてしまいます。このようにたった1本の歯が抜けただけでも、お口の中全体にドミノ倒しのような悪影響が及ぶことがあるのです。逆にいうと、欠損部に何らかの装置を装着するだけで、歯の喪失による悪影響を最小限に抑えられます。
リスク2：喋りづらくなる
歯がない状態は、発音した時の息漏れが生じやすくなります。こうした発音障害は、歯列内に不要な隙間があるすきっ歯（空隙歯列）の方によく見られる症状ですが、歯が丸ごと1本なくなったことによって生じる隙間はとても広く、発音に与える影響もそれだけ大きくなります。また、歯がない部分によっては、舌の動きに悪影響を及ぼすことから、喋りづらくなるという症状が現れる場合もあります。
リスク3：食べられる食材が限られる
歯がない状態を経験すると、すべての歯がそろっている健全な歯列のありがたみを食事で実感することになります。なぜなら歯が1本ないだけでも、そしゃく運動に大きな支障をきたすからです。失った歯の本数が多い場合は、噛みにくさを感じるだけでなく、食べられる食材も限られてくることから、食生活が乏しくなります。これはQOLの低下にもつながる悪影響なので、可能な限り早期に治療を受けた方が良いといえるでしょう。
歯がない状態の方への治療方法
歯がない状態を治療する方法としては、ブリッジ・入れ歯・インプラントの3つが挙げられます。それぞれの特徴や治療期間、治療にかかる費用は以下の通りです。
ブリッジ
ブリッジの特徴
ブリッジは、歯がない部分の両隣の歯を支えとして、人工歯が複数連結した装置を固定する治療法です。入れ歯における義歯床やクラスプのようなパーツがないため、見た目は比較的自然です。ただし、支えとなる歯は被せ物治療と同じくらい削らなければならず、残った歯にかかる負担が極めて大きい治療法といえるでしょう。
ブリッジの治療期間
ブリッジの治療にかかる期間は、2～3週間程度です。失った歯の本数が多かったり、複雑な設計のブリッジであったりする場合は、もう少し長い期間を要することもあります。
ブリッジの治療にかかる費用
保険診療のブリッジは、10,000～20,000円程度です。自費診療のブリッジは、50,000～150,000円程度の費用がかかります。
入れ歯
入れ歯の特徴
入れ歯は、歯がない部分に着脱式の装置をはめこむ治療法です。人工歯とプレート部分である義歯床、金属製のクラスプなどから構成されます。装置が大きく、構造も複雑であることから、装着時の違和感・異物感が大きい、見た目が不自然といったデメリットを伴います。
入れ歯の治療期間
入れ歯治療は、1～2か月で終わります。入れ歯は、ブリッジよりも治療工程が複雑であるため、少し長い期間を要します。
入れ歯の治療にかかる費用
保険診療の入れ歯は、5,000～20,000円程度、自費診療の入れ歯は100,000～800,000円程度の費用がかかります。
インプラント
インプラントの特徴
インプラントは、歯がない部分にチタン製の人工歯根を埋め込んで、人工歯を装着する治療法です。固定式で残った歯を削る必要がなく、噛んだ時の力を顎でしっかりと受け止めることができます。
インプラントの治療期間
インプラント治療は、5～6か月程度の期間を要します。人工歯根を埋入する手術を伴うため、その他の治療法より長い期間がかかります。
インプラントの治療にかかる費用
インプラントには保険が適用されないことから、治療にかかった費用は全額自己負担となります。インプラント1本あたり300,000～500,000円程度の費用がかかります。
まとめ
今回は、歯がない状態を放置するリスクと治療する方法について解説しました。歯がない状態を放置していると、健康な歯に悪影響が出たり、食べられる食材に制限がかかったりします。そのため歯がない状態はできるだけ早く歯科治療で補った方が良いといえるでしょう。失った歯の治療法としては、ブリッジ・入れ歯・インプラントという3つの選択肢が用意されていますので、それぞれの特徴やメリット・デメリットを正しく理解した上で、自分に合った治療を選ぶことが大切です。