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入れ歯の悩みの原因と対処法を解説!

入れ歯は、とても複雑な構造をしている装置なので、装着時に痛みや違和感などが生じやすくなっています。その他にも食事や会話の時に入れ歯が外れる、食べ物を飲み込む時に吐き気がするなど、悩みにバリエーションがあるのも入れ歯の特徴といえるでしょう。今回はそんな入れ歯の悩みの原因と対処法について詳しく解説をします。

 

入れ歯でよくあるお悩み

入れ歯の悩みは、「痛い」「外れる」「しゃべりにくい」「嘔吐反射が起こる」といった症状に大きく分けられます。

入れ歯が痛い原因と対処法

入れ歯が痛いのは、プレートの部分である義歯床の形が悪いか、人工歯のかみ合わせが合っていないことが原因として考えられます。義歯床の形態不良は、削って形を調整することで改善可能です。人工歯のかみ合わせの異常も咬合調整で正常化できます。咬合調整とは、人工歯をドリルで削ってかみ合わせを整える処置です。

入れ歯が外れる原因と対処法

入れ歯が外れやすい場合も、基本的には義歯床の形態不良か人工歯のかみ合わせの異常が疑われます。とくに義歯床が大きすぎると、しゃべったり、噛んだりした時に入れ歯が外れやすいです。こうした症状も歯科医院で入れ歯に調整を加えることで、改善が見込めます。

発音や滑舌が悪くなる

入れ歯による発音障害は、入れ歯の高さや適合の悪さ、入れ歯による異物感に慣れていない、といった原因が考えられます。入れ歯が高すぎたり、長すぎたりすると、サ行やタ行が発音しにくくなります。上の入れ歯が厚すぎると、ラ行が発音しにくくなることが多いです。これらも入れ歯を適切な形に削ることで、症状を改善することが可能です。入れ歯の異物感に関しては、使用から1か月も経過すれば気にならなくなります。

入れ歯が原因で嘔吐反射が起こる

嘔吐反射が起こるということは、入れ歯が長すぎて、口腔の奥の方の粘膜を刺激している可能性が高いです。嘔吐反射が日常的に起こる場合は、入れ歯の作り直しも視野に入れて対処する必要があります。

 

保険診療の入れ歯って?

保険診療の入れ歯は、自費診療の入れ歯よりも不快症状が起こりやすいです。それは保険で使用できる素材に制限がかかっていたり、診療にかけられる手間や時間が限られていたりするためです。そんな保険診療の入れ歯は、次の挙げるようなメリットとデメリットを伴います。

メリット

○保険が適用されるため費用を安く抑えられる
保険診療の最大のメリットは、入れ歯治療にかかる費用を安く抑えられる点です。標準的な入れ歯であれば、5,000~15,000円(3割負担)で作れます。

○壊れた時の修理がしやすい
保険診療の入れ歯は、人工歯と義歯床が歯科用プラスチックで作られていることから、割れたり、摩耗したりした時の修理が簡単に行えます。上段で解説した不具合が生じた場合も、その場で細かく調整できるのが保険の入れ歯の良いところです。

○治療期間が比較的短い
入れ歯は、いくつかの工程を踏んで製作するものなので、詰め物や被せ物治療よりも期間が長くなります。それでも保険診療の入れ歯は、完成までの工程が短いため、自費診療の入れ歯よりも早く治療が終わります。

デメリット

○劣化や故障が起こりやすい
人工歯や義歯床が歯科用プラスチックで作られていることは、壊れやすいことを意味します。経年的な摩耗や変色も起こりやすいため、自費診療の入れ歯よりも寿命が短くなりがちです。

○食事の熱を感じにくい
上の入れ歯のプレート部分がプラスチックだと、食事の熱さ・冷たさを感じることが難しいです。その結果、食事の楽しみが半減するというデメリットを伴います。

○装着時の違和感や異物感が大きい
歯科用プラスチックは耐久性が低いことから、入れ歯を厚めに作らなければなりません。入れ歯が厚く、大きくなれば、その分だけ装着時の違和感や異物感も大きくなります。

 

自費診療の入れ歯って?

続いて、自費診療の入れ歯のメリットとデメリットを解説します。

メリット

○薄く、小さく作れる
自費診療の入れ歯では、金属などの丈夫な材料を使用できることから、薄く、小さく作ることができます。それは装着感の向上につながります。

○食べ物の熱を感じやすい
プレート部分に金属を使った入れ歯なら、食べ物の熱を感じやすくなります。食事の味だけでなく、熱さや冷たさまで楽しめるようになるのです。

○見た目の美しさを追求できる
人工歯にセラミックを使ったり、金属製の留め具がないノンクラスプデンチャーを選択したりすることで、入れ歯の見た目の美しさを追求できます。

デメリット

○壊れた時の修理が難しい
自費診療では、チタンやシリコーンなど、特別な材料を使うことが多いことから、壊れた時に修理できないという難点があります。

○費用が高くなる
入れ歯の製作にかかった費用は全額自己負担となるため、治療費の総額が高くなります。

○治療期間が長くなる
細部にまでこだわった入れ歯製作には、それなりの期間を要します。ケースによっては入れ歯治療が終了するまでに2~3か月かかる場合も珍しくありません。

 

まとめ

今回は、入れ歯に関する悩みの原因と対処法、保険と自費の入れ歯の違いなどについて解説しました。入れ歯は着脱式の複雑な装置であることから、「痛い」「外れる」「しゃべりにくい」「嘔吐反射が起こる」といった症状に悩まされることが多いです。そうした悩みには明確な原因があり、対処法も用意されていますので、自分一人で悩まずに、必ず主治医に相談するようにしましょう。