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部分入れ歯の見た目は保険と自費で違う?

失った歯を補う治療法として、入れ歯は有用です。とくに部分入れ歯は、失った歯の位置や本数など、ほぼすべてのパターンに適応できるため、臨床では広く活用されています。けれども、部分入れ歯には「見た目があまり良くない」という欠点を伴うため、ブリッジやインプラントと迷っている方も多いようです。今回はそんな部分入れ歯の見た目について、保険診療と自費診療に分けて解説します。部分入れ歯を検討中の方は参考にしてみてください。

 

部分入れ歯とは

部分入れ歯とは、文字通り歯列内の部分的な欠損を補うための装置です。歯を1本失ったケースからたくさんの歯を失ったケースまで、幅広く適応できます。それは部分入れ歯の設計に無数のバリエーションがあるからです。

部分入れ歯の構造

部分入れ歯は、人工歯と歯ぐきに接する義歯床(ぎししょう)、残った歯に引っ掛けて装置を固定するクラスプという3つのパーツから構成されています。ブリッジやインプラントとは異なり、患者様が手軽に着脱できるため、ケアもしやすいという利点があります。部分入れ歯に使用する素材は、保険診療と自費診療で異なるため、詳細は後段で解説します。

 

保険診療の部分入れ歯

保険診療で選択できる部分入れ歯は、「レジン床義歯」のみです。

レジン床義歯の特徴

レジン床義歯とは、歯ぐきと接する部分が歯科用プラスチックで作られた入れ歯で、人工歯も同じ素材です。また、保険診療の入れ歯には、金属製のクラスプという留め具が付随します。クラスプは、歯列の表側に出る形で設計されることが多く、保険診療の部分入れ歯の見た目を悪くする原因ともなっています。

レジン床義歯のメリット

レジン床義歯のメリットとしては、まず費用が安い点が挙げられます。患者様はレジン床義歯の治療費の1~3割だけを負担すれば良いため、経済的に優れた治療法といえます。具体的に保険の部分床義歯は、5,000~8,000円(3割負担)くらいで作ることができます。
また、人工歯と義歯床が歯科用プラスチックで作られていることから、壊れた時の修理や不具合の調整がしやすいです。製作工程も比較的単純なので、保険診療の部分入れ歯は、治療期間が短いというメリットも伴います。

レジン床義歯のデメリット

レジン床義歯のデメリットとしては、見た目があまり良くない点が挙げられます。これは上段でも取り上げた「クラスプ」による影響です。やはり、金属製の部品が口腔内に露出していると、目に入った時点で違和感が生じます。また、プラスチックのみで構成されているレジン床義歯は、強度の問題から厚めに作らなければならず、装置がやや大きくなる点も、見た目の悪さを助長しているといえるでしょう。
その他、レジン床義歯には、摩耗や変色などが起こりやすい、分厚いので装着感が良くない、食事や会話の時に入れ歯が外れやすい、汚れを吸着しやすい、といったデメリットも伴います。

 

自費診療の部分入れ歯

自費診療の部分入れ歯としては、ノンクラスプデンチャーが挙げられます。

ノンクラスプデンチャーの特徴

ノンクラスプデンチャーとは、保険診療の部分入れ歯に付随するクラスプがない装置です。つまり、人工歯とピンク色の義歯床のみで構成された部分入れ歯で、見た目が自然で違和感が少ないです。そのため保険診療の部分入れ歯の見た目が嫌で、自費診療のノンクラスプデンチャーに交換する人が多くなっています。

ノンクラスプデンチャーのメリット

ノンクラスプデンチャーの最大のメリットは、見た目の良さです。繰り返しになりますが、ノンクラスプデンチャーには金属製の留め具が付随していないので、一見すると部分入れ歯をつけているようには見えません。それは義歯床の部分に特殊な樹脂を使っていることも関係しています。歯ぐきと接する部分がやわらかく、保険の入れ歯よりも薄いことから、装着感が良いことに加えて、見た目も自然に仕上がるのです。また、金属材料を使わないため、金属アレルギーのリスクも回避できます。

ノンクラスプデンチャーのデメリット

ノンクラスプデンチャーは、強度がそれほど高くありません。強い圧力が加わると、割れたり、変形したりすることがあります。その際の修理が難しいのもノンクラスプデンチャーのデメリットといえるでしょう。また、全額自己負担となることから、部分入れ歯にかかる費用がやや高くなる点にも注意が必要です。

 

まとめ

今回は、部分入れ歯の見た目について、保険診療と自費診療に分けて解説しました。保険診療のレジン床義歯は、金属製のクラスプが目立つことに加えて、義歯床が厚いので見た目があまり良くありません。自費診療のノンクラスプデンチャーは、金属製のクラスプを設計に入れる必要がなく、義歯床も薄く、自然な色をしていることから、見た目が良いというメリットを伴います。ですから、部分入れ歯の見た目の良さを重要視する場合は、自費診療のノンクラスプデンチャーがおすすめです。費用面を重視する場合は、当然ですが保険診療のレジン床義歯が推奨されます。

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