- 虫歯、歯周病
夜に歯が痛くなる原因は?対処方法はある?
「昼間は何ともなかったのに、夜になると歯が痛くなって眠れない」そんな経験はありませんか?
夜は歯医者も閉まっているし、翌朝までこの痛みが続くのか、なぜ夜に歯が痛くなるのか不安な方も多いかと思います。
今回は夜になると歯が痛くなる原因や治療方法をご紹介します。
夜に歯が痛くなることありませんか?
夜に歯が痛くなる原因としては次のようなことが考えられます。
- 頭部への血流量が増えるため
私たちは日常生活を送る中で日中はほとんど身体を起こしている状態で過ごしています。立ちっぱなしという方もいらっしゃるでしょう。そうすると血液は重力に合わせて下のほうへと流れていきます。しかし、夜になると家でくつろいでいる時や布団の中で眠る時に横たわる状態になります。
すると、下へ流れていた血液が頭の方へと流れるようになり、頭部の血管が膨張してくることで歯の神経も圧迫されて痛みが生じます。
- 副交感神経が優位になりリラックスするため
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。日中に血管を収縮させるなど身体の調節をしてくれるのが交感神経、血管の拡張などを促進する副交感神経は夜に優位になります。そのため、夜は歯の周りの血管も拡張して神経が圧迫され、歯の痛みなどの症状を感じやすくなります。
- お風呂に入ったりして血行が良くなる
夜にお風呂に入ってストレッチなどを行う方も多いかと思います。お風呂に入ることで副交感神経が優位になり、全身の血流が良くなります。すると、血管が拡張し拍動痛を感じる場合があります。
■考えられるいくつかの原因
歯が痛くなる原因としては以下が考えられます。
- 歯髄炎(しずいえん)
歯髄炎は虫歯や外傷などが原因で起こることが多く、歯の中心にある神経や血管の通る歯髄に炎症が起こっている状態です。
そのため血流が良くなり、血管が拡張することで拍動痛を感じることがあります。
- 根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)
歯髄炎がそのまま進行し、歯の根の先に膿が溜まり炎症が起こると根尖性歯周炎になります。根尖性歯周炎の場合は歯の神経がもう死んでしまっているため、歯の神経からくる痛みはありません。しかし、膿が溜まった部分が圧迫され刺激が生じることで痛みが出ます。虫歯がそのまま進行してなる場合もありますが、一度歯の根の治療を行った後に再発する場合もあります。
- 咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)
無意識な食いしばりや夜間の歯ぎしりなどによって歯や歯茎に過度な負担がかかると、それが原因で歯周組織に痛みや炎症が生じ咬合性外傷となります。
夜に痛みを感じることがありますが、歯髄炎や根尖性歯周炎との違いは虫歯が原因ではなく外的な力が加わることが原因という点です。
- その他
夜に歯が痛くなる原因はその他にも、親知らずが急に炎症を起こすことや、歯周病の急性症状が挙げられます。他にも歯の根が割れてしまっていることなどさまざまな原因が考えられます。
痛みを感じた場合は早めに歯科医院を受診しましょう。
■自宅でできる対処法はこれ
歯科医院を受診するまでに自宅でできる対処法をご紹介します。
- 痛い場所を冷やす(アイシング)
痛みを感じる付近を冷やすことで、血流が抑えられるので痛みが和らぐことがあります。
頬の外側から、冷たいタオルや氷を入れた袋を当てて冷やすと良いでしょう。
冷やしすぎると、血流を悪くし痛みを悪化させる可能性があるため長時間のアイシングには注意しましょう。
- 痛み止めを飲む
痛みがまだ軽い場合は市販の痛み止めを飲むことで、ひとまず痛みを和らげることも可能です。ドラッグストアで鎮痛剤のパッケージに「歯痛」と表記されているものを選びましょう。あくまで応急処置なので、鎮痛剤の効果がなくなればまた痛みが出てきます。また、痛みが強い場合は、薬が効かないこともあります。
- ツボを押す
夜に歯の痛みを感じた場合、ツボ押しも試してみましょう。 歯の痛みに効果のあるツボの中でも押しやすい手にあるツボはこちらです。
○歯痛点(しつうてん)
手のひらの中指、薬指の間の付け根あたりにあります。
○合谷(ごうこく)
手の人差し指と親指の骨が合わさった場所から少し人差し指側にある部分です。
どちらも少し強めに押すように揉みほぐしましょう。
- 歯磨きや口をゆすいで清潔にする
虫歯で開いた穴や、歯と歯の間に食べ物が残って詰まっている場合、そこから痛みが生じている可能性があります。まずは口をゆすいで、丁寧に優しく歯磨きをしましょう。強く磨いて刺激になってしまうと、さらに痛みが強くなる場合があります。詰まったものが取れにくい場合はデンタルフロスや歯間ブラシのような清掃補助器具を使って磨きましょう。
まとめ
夜に歯が痛むと不安になることも多いでしょう。もし応急処置で痛みが和らいでも原因がなくなったというわけではありません。
まずは歯科医院を受診してしっかり治療をしてもらいましょう。
当院では、歯や神経をできるだけ抜かない、歯をできるだけ削らない、できるだけ痛みの少ない治療を心がけております。夜間に歯が痛みだしたら翌日すぐにご来院ください。