Blog

何歳までできる?リスクはある?インプラント治療の年齢に関する疑問を解消!

「自分の年齢では、インプラント治療は難しいのかも…」インプラントを検討されている方の中には、そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?
しかし、年齢だけでインプラントの適応性を判断するのは、実は誤りです。実際には、年齢を重ねた方々でもインプラント治療の成功例は多くあります。
今回はこのような不安を解消するため、インプラント治療における年齢制限や、高齢の方がインプラント治療を受ける際の注意点などをお話ししていきたいと思います。

インプラントって年齢制限あるの?

インプラント治療には、厳密な年齢制限は存在しません。一般的には、顎の成長が完全に終了した20歳以上であれば、インプラント治療を受けることが可能です。
ただし、インプラントを受けるためには年齢だけでなく、お口や全身の健康状態も考慮する必要があります。

治療を成功させるためには、十分な顎骨の量、炎症のない歯ぐき、健康な全身状態など、インプラントが安定して確立できる環境が必要です。
年齢に関わらず、持病や服用している薬なども治療計画に影響を与える可能性があるため、個々の状態に基づいてインプラント治療の適応性を判断します。
ただ、高齢者の場合、骨密度や治癒能力の低下など、持病が無くても年齢に伴う変化が生じるため、若年者よりも治療における負担が大きくなってしまいます。

40〜60代の患者さんが多いって本当?

インプラント治療を受ける患者様の中でも、最も多い年齢層が40〜60代です。
この40〜60代の方がインプラント治療を選択する理由は、いくつか考えられます。

●歯を失いやすい

40〜60代は、歯の喪失や抜歯が多く見られます。これは、年齢とともに歯の健康状態が悪化し、虫歯や歯周病に罹患してしまうことが大きな原因です。
2018年に行われた歯科疾患実態調査では、40代以降は歯周病の悪化により抜歯をするケースが増え、10〜30代に比べその差は2倍以上であることがわかっています。
また、歯周病や虫歯以外にも、歯が劣化することで起きる「破折」による抜歯も多くなり、若い世代よりも歯の喪失リスクが高いことから、その分インプラント治療をする方も多いのです。

●年齢による骨の変化が少ない

インプラントは、チタンでできた人工の根を顎骨へと埋め込む治療です。他の歯に依存せず、自立する唯一の補綴物ですが、それゆえに人工歯根と骨との統合(オッセオインテグレーション)が必要不可欠であり、これには骨の健康状態が良好でなければ成功は見込めません。
しかし、年齢を重ねると、他の骨と同じように顎骨の密度や質が低下することがあります。
ただ、40〜60代の方はまだ比較的、骨の変化が少なく、十分な骨量があることから安全に治療を受けられるため、インプラント治療を選択する方が多いと言えます。●インプラントの需要が増加
近年はインプラント治療が広く普及し、それに伴い需要も高まっています。
これは、技術や製品の進歩によって、インプラント治療の安全性と成功率が大きく向上し、天然の歯のような噛む力と、審美性の高い見た目を手に入れられることが広く知られるようになったためです。
特に、40〜60代の患者様は、歯の損失により見た目や機能的な悪影響を感じやすく、口腔の健康を改善するためにインプラント治療を選ぶ傾向があります。

高齢の方がインプラント治療を受けても大丈夫?

高齢の方がインプラント治療を受ける際には、いくつかのリスクが存在します。以下はその代表的なリスクですが、1人1人の状況によってもリスクの高さは異なりますので、主治医や歯科医師との相談が重要です。

●成功率の低下

インプラントは、人工歯根を直接顎骨に埋め込むことから、その負荷に耐えられる骨の厚みや量が必要になります。
しかし、高齢になると、この骨が痩せてしまうため、インプラントを入れるのが難しい、または安定しないことがあります。
特に、歯を喪失して長く経過していると、入れ歯やブリッジをしていても顎骨が痩せてしまうことから、成功率が下がってしまうことがあるのです。
骨量が足りない場合には、治療に伴い新たに骨を作り出す骨造成を取り入れることもできますが、別途外科手術が必要になるため、特に持病のある方や身体機能が低下している方の場合、体への負担が大きくなってしまいます。

●持病などで治療が難しくなる

若年者に比べ、高齢者は全身疾患や薬物治療をしていることが多い傾向にあり、これらの全身疾患や常用薬は、インプラント治療の予後に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、血液疾患や免疫不全などの疾患を持つ方、ビスホスホネート製剤を服用している方は、絶対的禁忌症とも呼ばれ、インプラント治療をすることができません。
ただ、全身疾患を持つ方でも、疾患の種類や程度によってはインプラント治療を受けることができるため、まずは主治医へ相談してみましょう。

●傷の治りが遅く、感染症のリスクが高い

年齢を重ねるにつれ、免疫力や治癒力は次第に低下していきます。インプラント治療は患部が小さいとはいっても、出血の伴う外科手術が必要です。
免疫力の低下によって感染症のリスクが高くなったり、術後傷口の治りが遅くなったりと、高齢であるが故のリスクは少なからず生じます。

まとめ

今回お話した通り、インプラント治療は20歳以上で健康状態に問題がなければ誰でも可能であり、実際に幅広い年齢層の方がインプラントによる治療を受けています。年齢が高いからといって、インプラント治療を諦める必要はないのです。
自分の年齢に関わらず、個別の状況を歯科医師と、全身疾患のある場合には主治医とも相談し、安全に治療ができるようインプラントの適応性を判断しましょう。

 

当院のインプラント治療についてはこちら