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歯が折れた!すぐにやるべき対処法と歯科医院での治療法を解説します

歯が折れると痛みや焦燥感から、誰でも強い不安を抱くことでしょう。しかし、歯が折れてしまった場合でも、適切な対処法と歯科医院での治療によって、歯を抜かずに残せる可能性が高まります。
今回は、歯が折れた時の対処法や注意点、歯科医院での治療法について詳しく解説します。もしもの時に備え、正しい知識を得て早めの行動ができるように心がけましょう。

歯が折れた時はどうすればいい?

●歯科医院へ連絡
歯が折れたとき最も重要なのが、早期に歯科医院に連絡し、診察を受ける事です。早急に処置を行うことで、歯が折れていても歯を保存できることがあります。
また、歯が折れた際はパニックになりがちですが、歯科医院へ連絡し、受診するまでの対応を仰ぐことで、焦らず落ち着いて行動しやすくなります。

●折れた歯の破片を保管する
念のため、折れてしまった歯のかけらは保管して、歯科医院を受診する際に持っていくことが望ましいでしょう。
歯が根っこごと抜け落ちてしまう「脱臼」の場合は、根面に付着する歯根膜と呼ばれる繊維を守るために生理食塩水、または牛乳に浸ける必要がありますが、部分的に歯が折れてしまった場合、根面の部分が欠けていなければその必要はありません。
ただ、歯の欠片をアルコールで消毒したり、ブラシで擦り洗いをしたりするのは控えるようにし、なるべく触らないようにしてください。

●痛みが強い場合は痛み止めを飲む
歯が折れると、歯の周囲組織に炎症が起きることで強い痛みが生じることがあります。
痛みが強く、歯科医院を受診するまでに我慢できない場合には、市販の痛み止めを服用しましょう。歯の神経に起因する痛みでも、アセトアミノフェンやアスピリン、ロキソプロフェンナトリウムなどは鎮痛消炎の効果があるため、我慢せず薬剤で痛みを抑えてください。

やってはいけない事とは?

●折れた歯を放置する
歯が折れた際、痛みがないからといって歯科医院を受診せず、放置するのはやめましょう。折れた場所から細菌が侵入して感染を起こすと、歯ぐきの腫れや痛みを悪化させてしまうことがあります。
また、折れた歯は以前よりも脆弱になっているため、折れた部分がさらに欠けたり、亀裂が入って歯が割れてしまったりする可能性があります。

●自分で歯をくっつける
最もやってはいけないことは、接着剤を使用し自身で欠けた歯を接着することです。
市販されている一般的な接着剤は、歯科用の接着剤とは全くの別物で、歯に適合しない上、口腔内で使用することにおいての安全性が確保されていません。
仮に、自己処理によって歯を接着できたとしても、歯科医師による適切な処置が行われていないため、感染による炎症や破折が起こり、最悪の場合抜歯となります。

●折れた場所を触り、刺激を与える
患部は歯科医院で処置を行うまで、できる限り清潔に保つ必要があります。しかし、指などで折れた場所を触ると、細菌が侵入し繁殖することで、感染や炎症が引き起こされるリスクがあります。
また、折れた場所を自分で消毒したり、刺激の強いマウスウォッシュで口をゆすいだりすることも控えましょう。歯が折れた際には、刺激を与えないように触らず、なるべくそのままの状態で歯科医院を受診することが重要です。

歯が折れた時の治療法について

歯が折れた場合の治療法は、折れた歯の状態によって異なります。適切な治療で歯を残すためにも、自己判断は控え歯科医師による診断を受けましょう。

詰め物(レジン修復)
歯の根元部分や歯の神経が健康な場合には、部分的な詰め物による治療が適応されます。白いプラスチックで破折部分を修復するこの治療法は、歯が折れた範囲が比較的小さいケースが対象です。

●歯の再接着
歯周組織に大きな損傷がなく、欠けた歯を元の場所に接着しても問題がない場合には、歯を接着して修復します。
ただ、歯の破片が複数ある場合には完全な接着が難しいため、場合によっては他の治療法を選択する必要があります。

●ラミネートベニア
破折部位が小さく、歯の神経に問題がない場合、ラミネートベニアによる治療を選択することができます。ラミネートベニアは歯の表面を少量削り、そこにセラミックの薄い板を貼り付ける治療法です。審美性が高く、前歯の修復に適した治療ですが、歯が折れた際に適応される症例は限られます。

●被せ物(クラウン)
歯の破損が大きい場合、上記の治療法では歯の修復が難しいため、被せ物が必要になることがあります。
被せ物の材料は、保険適用のものから自費のものまで様々ありますが、前歯の場合は他人からもよく見える場所にあるため、透明度が高く自然なセラミックをおすすめします。

●根管治療
歯の破折により歯の神経が露出、または損傷した場合、神経をとる根管治療を行います。根管治療を行った後は、歯の形を取り戻すため被せ物の治療が必要です。
ただ、歯の神経が露出したもののダメージがない場合には、歯の内部に薬剤を入れて神経の炎症を抑え、そのまま保存できることもあります。

●抜歯
折れた歯が重度の損傷を受けて修復が困難な場合、残念ながら抜歯が必要です。抜歯後は、入れ歯やブリッジ、インプラントなどにより、歯の欠損を補う治療を行います。

まとめ

歯が折れてしまった時は、慌てず冷静に対処し、早めに歯科医院を受診することが重要です。
歯の破折に関する悩みや疑問がある場合には、折れた状態や症状等によっても対処法が異なりますので、すぐに歯科医院へ連絡し、歯科医師による検査と診断、適切な治療を受けるようにしましょう。

 

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