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差し歯が痛い!繰り返す痛みの原因や対処法は?

「差し歯にしたところがなんだか痛い」「ズーンと重い感じがする」とお悩みの方はいらっしゃいませんか?
差し歯は天然歯とくらべてトラブルがおこりやすく、長く使うには定期的なチェックが欠かせません。症状が強い痛みではなく違和感として現れる場合もありますので、些細な変化も見逃さないようにしましょう。
こちらのページでは、差し歯が痛みだす原因や治療方法について分かりやすくまとめました。お悩みの方はぜひご参考にしてください。

そもそも差し歯とは

差し歯は、根っこの治療をしたあとに人工の土台と被せ物をした歯を指します。人工の土台が入っていない被せ物をしているだけの歯は差し歯とはいいません。差し歯の場合、見た目では被せ物のみをしている歯とほとんど変わりないのですが、レントゲン上では根管内が不透明であるためすぐにわかります。

差し歯が痛みだす4つの原因

差し歯は痛みを感知する神経を取ったあとに行う処置であるため、二次う蝕(虫歯の再発)で痛むことは基本的にはありません。痛みを感じたときは以下のトラブルが考えられます。

根尖病巣ができている

根っこの先に膿がたまる病気を「根尖病巣(こんせんびょうそう)」または「歯根膿胞(しこんのうほう)」といいます。根管内で細菌が増殖し、根っこの先から徐々に歯槽骨を溶かして膿が作られる病気で、主な症状としては「ズーンとするような痛み」「階段を上り下りするときなどに響く感じ」「浮いたような感じ」が挙げられます。虫歯や知覚過敏による痛みとは異なり、痛みではなく違和感程度の症状がでるケースも珍しくありません。

歯ぐきが腫れている

歯の神経を取っている差し歯は虫歯の痛みは感じませんが、歯ぐきの腫れや炎症では痛みを生じます。歯周病で歯ぐきが酷く腫れている場合は、痛みがでやすいので注意しましょう。

歯根が割れてグラつきがみられる

神経を取った歯は栄養が行き届かなくなるため、そうでない歯にくらべてとても脆くなります。気づかないうちにヒビや破折といったトラブルがおこりやすく、完全に割れてしまうと噛んだときに歯がグラついて、歯ぐきが広がることで痛みが発生します。重度の歯周病になって歯がグラつく場合も同じです。

かみ合わせが悪い

かみ合わせが悪いとしっかり噛める歯への負担が増えてしまい、痛みや違和感が出る場合があります。栄養が行き届かない差し歯はとくに影響が大きいため、全体で噛める状態に整えることが大切です。

差し歯が痛むときの治療方法

差し歯が痛んだり強い違和感があったりする場合は、何かしらのトラブルがおこっている可能性が高いです。歯科医院では以下のような方法で治療を行っています。状態によって適切な方法が異なるため、まずは一度ご相談ください。

再根管治療

根尖病巣ができている場合やそのほかの治療法では効果が期待できないと判断した場合は、根っこの治療をやり直します。被せ物や土台を完全に壊す必要があるため、再利用はできません。内部の感染組織をリーマー(またはファイル)と呼ばれる小さな器具を使って除去し、新たな土台と被せ物をセットして終了です。根管治療を何度も繰り返すと歯の厚みが失われるため、一般的には2~3回が限度とされています。

歯周病治療

歯ぐきの腫れや破折はみられないのにグラつきがある場合は、歯周病治療を行います。軽度の歯周病であれば歯石除去やお手入れの改善をすることで数週間後には症状が落ち着きますが、顎骨が溶かされてグラつきがみられる中等度や重度の場合は大きな改善はあまり期待できません。対処法としては隣接する歯との固定が一般的です。悪化しないための対策として継続的な歯周病治療も必要になります。

咬合調整

かみ合わせ面を削って形を変える方法です。通院回数がかからない治療法で、基本的に軽度の症例のみ対象となります。詰め物や被せ物の部分であればそこまで心配はありませんが、天然歯を大きく削る必要がある場合はほかの治療をおすすめすることもあります。

矯正治療

専用の装置を使って歯並びを整える治療法です。虫歯や歯周病といったトラブルがなければ何歳からでも始められ、かみ合わせが整うのはもちろん見た目の向上、顎関節症予防、お手入れがしやすくなるなどメリットが多いのが特徴です。

抜歯

根っこが完全に割れてしまっている場合はそれをきれいに治すことができないため、痛みを取るために抜歯をすることがあります。抜歯後は「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」のどれかを行うことになりますが、ブリッジは抜歯をした部位の両端に土台として使える丈夫な歯があること、インプラントは抜歯をした部位の顎骨の量が十分にあることが最低条件です。状態によっては入れ歯しか選択できない場合もあります。

まとめ

差し歯が痛む原因はいくつか存在し、それによって適切な対処法も異なります。歯の厚みを失う根管治療は受けられる回数に制限があり、抜歯せざるを得ない状態になるケースも珍しくありません。差し歯を長く使い続けるにはトラブルがおこりにくい環境を維持することがとても重要です。見た目では分からないトラブルもあるため、歯科医院での定期的なチェックを受けて予防や早期発見に役立てましょう。

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